ニキビで皮膚科にかかると処方される抗生物質の飲み薬のこと。

ニキビで皮膚科を受診しようかどうか悩んでいる方もおおいでしょう。皮膚科でどのような治療ができるのか気になりますよね。ニキビで皮膚科を受診すると抗生物質の飲み薬が処方されることがしばしばあります。どのような抗生剤の飲み薬が処方されるか。抗生物質の飲み薬はニキビに対して本当に有効なのか。心配な副作用はないのか。に対して処方される抗生物質の飲み薬について書きました。

抗生物質 飲み薬 種類

抗生物質とはそもそも何なのか?抗生物質は細菌をやっつけるお薬のことです。微生物にもウイルスや真菌もいますが、抗生物質とはあくまで細菌に対して有効です。抗生物質の飲み薬には様々な種類があります。

ニキビ(尋常性ざ瘡)の治療ガイドライン(皮膚科学会)によると、炎症性の皮疹(いわゆる赤ニキビ)に対して抗生物質の内服は推奨されています。「炎症性皮疹に,内服抗菌薬を強く推奨する」と推奨分が書かれています。

ガイドライン上では抗生物質も種類によって推奨度が異なります。推奨度はA>B>C1…の順です

推奨度 A(ドキシサイクリン)ないし A*(ミノサイクリン)ないし B(ロキシスロマイシン,ファロペネム)ないし C1(テトラサイクリン,エリスロマイシン,クラリスマイシン,レボフロキサシン,トスフロキサシン,シプロフロキサシン,ロメフロキサシン,セフロキシム アキセチル)

引用:日皮会誌:127(6),1261-1302,2017(平成 29) 1273

何故、皮膚科では抗生物質がニキビに処方されるか

ニキビの炎症にはアクネ菌P. acnesという細菌が関わっています。皮脂腺でアクネ菌が炎症を起こして炎症性の赤ニキビになるわけです。

その原因菌であるアクネ菌をやっつけよう!そうすればニキビの炎症は良くなるはず!というのが抗生物質の飲み薬が処方される所以です。確かにこれだけ聞くと理にかなっているように見えます。しかし現実的には抗生物質で繰り返しできる炎症性のニキビは治らないことが多々あります。ニキビの原因は複合的なのです。アクネ菌だけやっつければ治るという単純なものではないのです。

ところが皮膚科のガイドラインでは、抗生物質の飲み薬は炎症性のニキビに対して強く推奨されています。このガイドラインでの推奨度というのは論文などの「エビデンス」のレベルによって規定されます。

しかし論文や研究というものはだいたい数週間~数カ月間などの短い観察期間しかないわけです。慢性的に繰り返している炎症性ニキビに対して抗生物質の飲み薬を飲んでいる短期間だけをみて「効果あり」と判定するのはいかがなものかと考えてしまいます。

またガイドライン上では抗生物質の飲み薬の処方は長期間の投与は避けるように書かれています。↓

多くの RCT で有効性が示され,炎症性皮疹に,内服抗菌薬を強く推奨するが,耐性菌の出現を防ぐため長期間の使用は控えた方がよい.Global Alliance は,内服抗菌薬の投与は 3 カ月までとし,6~8 週目に再評価して継続の可否を判断することを推奨している

引用:1274 日皮会誌:127(6),1261-1302,2017(平成 29)

そしてアバタレンやベピオゲルアドの外用薬と併用することが推奨されています。

抗生剤の副作用は?

薬には必ず副作用があります。どんなお薬でもそうです。薬は身体にとって「異物」ですから、体内に入った後に代謝・排泄されなくてはいけません。その過程で必ず「活性酸素」が発生してしまいます。活性酸素は身体の酸化のもとです。酸化により体は老化し様々な病気がもたらされます。日本人は薬が大好きな民族です。すぐに薬を飲みたがります。ウイルス性の一般的な風邪であったとしても抗生物質の飲み薬を欲しがったり、解熱鎮痛薬を飲んだりします。細菌はようやく厚生労働省も抗生物質の乱用に警告を鳴らし始めましたが…。

抗生物質はアレルギーを起こしやすい内服薬でもあります。私自身、抗生物質でアレルギーを起こしたことがあります。私は極力抗生物質などの内服薬は飲まないようにしているのですが、細菌性の中耳炎になってしまったときはやむを得ず内服しました。すると顔がむくんできて赤くかゆくなるアレルギー反応が出てしまいました。

その他に、どの抗生物質にも共通する副作用として「腸内細菌叢を乱す」というものがあります。人間の腸にはたくさん細菌がいます。この細菌たちが非常に重要な役割を果たしています。その大切な細菌たちまでも殺菌してしまうのが抗生物質の飲み薬です。一度乱れてしまった腸内細菌叢はそう簡単には回復しないといわれています。

肌にも細菌叢があります。お肌の細菌が大切なバリア機能に重要な役割を果たしているわけですが、抗生物質はその大切なお肌の細菌叢まで破壊してしまいます。

腸内細菌と肌の関係

腸と肌は密接に関係しています。肌だけではなく脳や免疫など体の健康と腸は密接に関係しています。腸内細菌叢を整え腸の健康を保つことは美肌には欠かせません。

裏を返すと腸内細菌叢が乱れれば肌も荒れます。肌が脆弱になればニキビもできやすくなります。

抗生物質の飲み薬は必ず腸内細菌叢を乱します。抗生物質の飲み薬を飲むと下痢をしやすくなるのは腸内細菌叢の乱れが一因です。抗生物質の処方と合わせてビオフェルミンRなどの整腸剤が処方されるのはそのためです。

抗生物質を飲むということは、ニキビを治すために飲んだはずなのに腸内細菌叢が乱れ肌荒れにつながる…という矛盾を抱えてしまうことになるのです。

結局、ニキビに抗生物質の飲み薬は必要?

抗生物質というものは医療現場では欠かすことのできない薬剤です。抗生物質があるからこそ多くの命が救われています。

しかし、私はニキビに対しての抗生物質の飲み薬には疑問を持っています。一過性の、つまり一時的にできている炎症性のニキビに対してならばまだいいのですが、慢性の繰り返すニキビに対して抗生物質の飲み薬は意味があるようには思えません。むしろ害といってもいいでしょう。

ところが上述したように皮膚科のガイドラインでは抗生物質が推奨されています。ゆえに、皮膚科に行けば慢性的なニキビであろうとも抗生物質の飲み薬は安易に処方されてしまいます。

抗生物質を飲む前にすべきこと

抗生物質が繰り返すニキビに無意味なのであればどうすればいいのか?疑問ですよね。ニキビをよくするには内側からの体質改善が最も効果的です。言い換えると体にとって必要な栄養素をそろえてあげると、ニキビは良くなっていきます。

ニキビがある人はほとんどが栄養不足です。そして、ニキビ以外にもどこか体の不調を抱えているはずです。疲れやすい、朝起きられない、起立性低血圧、イライラする、生理不順等々…。

ニキビというのはあなたの栄養不足の現れ、そして氷山の一角でしかないと考えた方がいいでしょう。体からの不調のサイン、それがニキビとして表れているわけです。その殻あの声を無視して抗生物質だけ飲んでも、解決にはならないのです。

殆どの人はたんぱく質・ミネラル・ビタミン・脂質が不足しています。そして糖質過多です。

ニキビを良くしたいのであれば、まずは肌の材料であるたんぱく質をしっかり摂取すること。そして、ビタミンC、A、B群、Eなどの美肌に欠かせないビタミンが不足ないようにする。ミネラルに関して鉄・亜鉛はニキビの人は不足していることが多いです。これらの栄養素の摂取が不足の内容にすること。それが何より先です。

まとめ

抗生物質の飲み薬は皮膚科ガイドラインではニキビに対して推奨されている。しかし私個人としては慢性的なニキビに対して抗生物質の投与は有害にすらなると思っている。それよりも栄養改善が先決。

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アラサー女医。 勤務医をしながら子育てをしている。 夫・子供と3人暮らし。 妊娠糖尿病を機に断糖肉食を自ら実践中。 診療にも栄養療法を取り入れている。 チャレンジ精神旺盛で常に何かに挑戦している。 趣味は読書・投資・旅行。子供の教育を兼ねて数年後の海外移住を計画中♪