ニキビの赤みに「馬油は効く」はウソ?

馬油は肌の万能薬というイメージがありますよね。家族全員で全身に使えることから、馬油を常備している方も多いのではないでしょうか。ニキビに悩んでいる人、とにかくニキビの赤みを良くしたいと考えている方は、馬油がニキビに効くのか試してみたいと思うかもしれません。馬油が炎症性の赤みのあるニキビに効果があるか検証してみました!

馬油とは

馬油は古くからあるスキンケアアイテム。馬油は文字通り「馬の脂」から作られています。もともと中国で火傷や切り傷などに対して使われていたようです。

人間の皮脂の成分に近いため肌なじみが良くオイル・クリーム・シャンプーなど様々な化粧品に配合されていますよね。

ピュアな馬油は家庭では湿疹や肌荒れ、ニキビ、虫刺されなど「万能薬」的な存在として定番となっています。

ただ、馬油は医学的に薬として認められているわけではありません。「エビデンス不十分」なわけです。

馬油で「いぼ」が取れた?!

私が「馬油」に興味を持ったきっかけとなる出来事がありました。私の祖母が顔に「いぼ」ができて馬油をそこに数カ月塗り続けたそうです。その結果…なんと!「いぼ」が小さくなり最終的にはきれいになくなったといって喜んでいるのです。驚きですよね。

祖母が私にウソをつくとも思えないし…。

馬油とは実はものすごい力を秘めているのでしょうか?!

不純物の含まれない100%馬油がおすすめ

馬油を使いたいなら余計な成分が入っていないものを選ぶべきでしょう。できるだけ不純物は避けるべきです。馬油といっても余計な成分の含まれているものも多いので良く成分をチェックしましょう。

ニキビの赤みに馬油がいいといわれるのは何故?

馬油の肌に対する効果効能は多彩でニキビにも効果的とされています。本当でしょうか?ニキビの赤みをすぐに落ち着かせたり、ニキビをできにくくしたりする効果はあるのでしょうか?調査・考察をしてみした。

馬油がなぜニキビに効果的といわれるかというと

  1. 抗炎症作用
  2. 殺菌作用
  3. 抗酸化作用
  4. 皮膚の保護作用

等の作用によるものとされています。これらの作用に関してひとつ一つ検証してみようと思います。

抗炎症作用

馬油には不飽和脂肪酸が多く含まれます。とりわけαリノレン酸が含まれており、肌の奥まで浸透することによって炎症をおさえたり熱を抑えたりする作用があるといわれています。

肌のどこまで浸透するか?肌からとり入れたαリノレン酸が抗炎症効果を発揮するのか?は調べてもわかりませんでした。医学的にはわかっていないことなのでしょう。

殺菌作用

馬油の殺菌効果に関しては、「肌に油膜を作り空気を遮断することで細菌の増殖を防ぐ」といわれていますが、これは医学的に考えておかしいです。細菌はたくさんの種類がありますが、空気がないと生きていけない「好気性菌」と空気が苦手な「嫌気性菌」に分かれます。ニキビの原因菌とされるアクネ菌は「嫌気性菌」で空気が苦手なタイプです。つまり空気を遮断してもアクネ菌をやっつけることはできないのです。むしろ空気に触れてしまったら生きることができない菌なので…。

よってこの殺菌作用は炎症が起きている赤みのあるニキビに効果があるかというと、期待できないでしょう。

抗酸化作用

肌に油膜を作り密閉することで肌が空気と触れることを防ぎ、その結果肌が酸素と触れることがなくなり、肌が酸化することを防ぐ、というのがロジックのようです。

これも疑問が残ります。馬油自体が非常に参加されやすいアブラなので、それを肌に乗せてしまったら、肌も参加される可能を否定できないでしょう。

この理屈だと、飽和脂肪酸の割合が多いバターのほうが肌の酸化を防ぐといえそうです。バターを顔に塗るわけにはいかないですが…^^

皮膚の保護作用

馬油は皮膚に油分の膜を作ることで皮膚に対して保護的に働きます。外的刺激から皮膚を守ることによって、肌を健康な状態に導きます。ニキビの改善には肌が健康であることが重要です。肌を健やかに保つという意味ではニキビに対して予防的に働く可能性はあります。ただこの作用自体が、現在炎症が起きているニキビの赤みに対して効果があるとは言えないでしょう。

馬油の効果があるとしたら乾燥性のニキビ

以上のようにニキビに対して馬油が効果的といわれる理由についてみてきましたが、いずれも絶対に炎症性の赤みのあるニキビに効くとは言い切れないものばかりでした。

馬油は保湿効果が高いので、肌の乾燥を防ぐことによって乾燥性のニキビに対して効果が期待できるかもしれませんね。

馬油は「酸化」が心配

馬油には「不飽和脂肪酸」が多く含まれています。「不飽和脂肪酸」は酸化しやすいアブラです。牛脂が不飽和脂肪酸:飽和脂肪酸=5:5なのに対して、馬油は不飽和脂肪酸:飽和脂肪酸=6:4と不飽和脂肪酸の比率が高いです。これは人の皮脂の比率に近いです。だから保湿剤として良いといわれるのでしょうけど…。

酸化されやすいので保管は冷暗所で、開封後は数カ月以内に使い切るのがいいでしょう。

因みに不飽和脂肪酸の割合はラードが56%、オリーブ油が85%、馬油は63%です。飽和脂肪酸が多い動物性と不飽和脂肪酸が多い植物性の中間の位置にあります。

ラードと馬油

ラードも馬油と同じように動物性の脂肪です。実はラードもスキンケアに使うことができるんです。馬油は有名だけど、ラードでスキンケアなんて聞いたことない…と思われるかもしれませんね。私自身はスキンケアにラードを愛用しています。馬油と同じように全身に使えます。ラードも人間の皮脂と成分が非常に近く肌になじみやすいです。何よりコスパが最高すぎます。食用のラードはチューブ一本当たり200円くらいで買えます。馬油より安い!!

馬油に比べてラードは脂肪酸の構成がヒトに近いです。ただしニキビに対して薬効があるわけではないので、馬油同様に保湿・保護材的な位置づけで使うのがいいでしょう。

信じる者は救われる?プラセボ効果の話。

以上より馬油は正直、医学的に炎症性のニキビに効果がありますとは言い難いです。だから医薬品にはならないわけですが…。

では私の祖母が「いぼ取れた」というのは何故だったのか?どう考えても馬油にそのような力はないように思えるのですが…。

医学用語でプラセボ効果というものがあります。薬効がない偽薬を飲ませても病気に対して効果が得られる反応のことです。これが意味するのは人間の思考が病気など体にも大きく影響するということでしょう。どんな薬でも「効く」というイメージをもってつかったほうが効果的な可能性があるということです。

信じる。イメージする。とても重要なことだと思います。

筋トレするなら、鍛えたい筋肉を意識・イメージしてやると効果が上がります。

武井壮さんは骨折をして医師に「一生歩けない」と告げられたことがあったそうです。しかし、骨の図鑑を眺めて「自分の骨はこの通りになる!」とイメージし続けたところ2か月後には歩けるようになったとのこと。すごい話ですね!

ニキビを良くしたいならニキビが良くなった肌の状態を常にイメージすると効果が出やすいかもしれませんよ!私も美しい肌の女優さんの写真をスマホに入れて眺めています。自分も美肌になる!という気持ちで…。

まとめ

馬油はニキビの赤みに効く!とは理屈上は言えないでしょう。保湿効果は高いため乾燥性のニキビには効くかもしれません。

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ABOUTこの記事をかいた人

アラサー女医。 勤務医をしながら子育てをしている。 夫・子供と3人暮らし。 妊娠糖尿病を機に断糖肉食を自ら実践中。 診療にも栄養療法を取り入れている。 チャレンジ精神旺盛で常に何かに挑戦している。 趣味は読書・投資・旅行。子供の教育を兼ねて数年後の海外移住を計画中♪