産後うつ病の薬について解説。

産後うつ病は広義のうつ病の定義でも19.2%、厳密な定義でも7.2%ととても高頻度に起こる病気です。

産後うつ病と診断されたら薬が処方されるのか、授乳中だと薬を飲むことで赤ちゃんに影響はないのか、心配になりますよね。

そこで産後うつ病のお薬についてまとめてみます。

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他の記事でもお伝えしたように、産後うつと診断されたときにお薬治療をするかについては

ケースバイ・ケースです。

重症度や本人家族の希望によってお薬治療をすべきかどうか変わってきます。

○どんな薬が処方されるの?

薬による治療が必要となった場合は「抗うつ薬」が処方されることがほとんどです。

抗うつ薬は脳の神経伝達物質に働きかけてうつ病の症状を改善する作用があります。

不眠や不安感が強い場合は睡眠薬や抗不安薬が処方されます。

 

○抗うつ薬と授乳について

抗うつ薬はSSRI、SNRI、NaSSA、三環系などの種類がありますが、多くの場合はSSRIが出されることが多いです。

母乳への移行性がとても少ないということがわかっているからです!

SNRIは情報が少なく、NaSSAは今のところ乳汁以降は少なく乳児への影響はみられていないとのことです。

 

最も処方頻度が多いと思われるSSRIについて。

SSRIは比較的新しいタイプの抗うつ薬で副作用も軽いことが多いです。

SSRIにはパロキセチン(パキシル)、フルボキサミン(デプロメール)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)などのお薬があります。

いずれも乳汁移行は少ないため授乳と両立しても問題にならないと考えられています。

それではどれくらい移行するのでしょうか?

それぞれのお薬により異なりますが、たったの0.5~2.2%程度です。

これらのお薬は基本的に毎日服用するので血中濃度の日内変動は大きくなく、服薬後時間をおいて授乳する必要はないと考えられています。

○抗不安薬と授乳について

抗不安薬にはベンゾジアゼピン系(BZD系)が使われます。

数多くの種類がありますが、授乳中のデータが少ないのが現状です。

一般的には授乳中には短期間作用型と呼ばれ、すぐに代謝されるタイプのものが選択されます。

短期間作用型にはアルプラゾラム(ソラナックス)、ロラゼパム(ワイパックス)、ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)などがあります。

どうしてもこれらの薬を飲む必要がある場合は、授乳後に赤ちゃんがうとうとしすぎないか(傾眠)等の注意深い観察が必要です。

○産後うつ病に漢方薬ってどうなの??

漢方薬は副作用が少なそうなイメージがあり、漢方薬で治療したいと考える方もいるのではないでしょうか。

しかし実際は漢方薬と授乳に関してはデータがなく、添付文書上も記載がなくさけたほうが無難という考え方です。

 

以上、主に産後うつ病に対して使われる抗うつ薬と抗不安薬を中心にまとめてみました。

A sound baby in a sound mother(健全な母体に健全な児が宿る)といいます。

お薬を処方されたにもかかわらず、自己判断で飲んだり飲まなかったりすることが一番よくありません。

お薬に関して疑問があれば納得がいくまで主治医に相談してみましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

アラサー女医。 勤務医をしながら子育てをしている。 夫・子供と3人暮らし。 妊娠糖尿病を機に断糖肉食を自ら実践中。 診療にも栄養療法を取り入れている。 チャレンジ精神旺盛で常に何かに挑戦している。 趣味は読書・投資・旅行。子供の教育を兼ねて数年後の海外移住を計画中♪